エロくて抜ける、そして笑える特殊設定エロマンガ「艶ママ」

かるま龍狼の「艶ママ」は、タイトルも表紙も熟女、人妻モノを思わせる作りだ。しかし、内容はというとそんなことはない。確かに人妻、ママは登場するが、内容を端的に表現すれば「エロコメディ」に違いない。抜ける、そして笑える、2度おいしいタイトルだ!


「お○さん(おマルさん)」「お○ちゃん(おマルちゃん)」の2話は、○の中に何らかの文字が当てはまるお話。登場するのは男の子、しゅうと、彼がお○さんと呼ぶ妙齢の女性、そしてしゅうのことをお○ちゃんと呼ぶ少女、ゆきの3人だ。
同じ家に住んでいる彼らは何らかの理由で肉体関係を持つことが許されない立場のようだが、彼らはその何らかのタブーを犯してセックスしてしまう。
「お○さん」ではゆきがいない間にお○さんと、「お○ちゃん」ではお○さんがいない隙にゆきとのセックスが描かれる。

どちらの話もラブラブな関係を描いたものだが、○の中に当てはめる言葉を考えると、そのアブノーマルな関係に興奮してしまう。
「ほんとはゆきお○ちゃんのおチ○チン挿入たいけど…やっぱり○○なんだから我慢しなくちゃ」というセリフの通り、挿入セックスを拒むゆきだが、しゅうお○さんと挿入セックスしているのを目撃してしまい、○○なのにセックスしてしまう。
タイトルは「艶ママ」だが、「お○ちゃん」を読むと登場するのはゆきのような少女もおり、表紙、タイトルから想像される熟女・人妻モノではないのが分かると思う。

■何よりも強いのがコメディ色!特殊なシチュエーションに笑って抜く
艶ママ」に収録されている話の中で圧倒的に面白いのが、コメディータッチで特殊な設定のお話だ。特に、「ポチんちん」は犬の代わりに、男性器を露出させた犬のようなもの、ポチが登場し、女性たちの人気を集め、同時にセックスの対象となっていく。ポチはどう見てもブリッジした男性の勃起チンポに首輪をつけただけの存在なのだが、そんな得体の知れない存在が女性たちには大人気だというシュールな世界観は、エロくもあり、笑いの対象ともなる。
「ポチんちん」ではいつのまにかたくましく成長したポチと、久しぶりに犬小屋で一緒に寝た飼い主の少女が、性的な意味でポチと寝ることになってしまうぞ。

「ポチんちん」の続きとなる「ポチんちん2」は、ポチを飼っている家庭こそ異なるものの、世界観やポチの人気の高さは変わらない。
飼い主のタクオはなぜか女性にばかり人気のあるポチが嫌いだが、家を追い出されてポチの代わりに犬小屋で一晩過ごすことになり、近所のおばさんたちの夜這いを受けることになる。近所のおばさんといっても全然おいしくいただける美人揃いなので、犬小屋に頭だけを隠した特殊なハーレムプレイを一晩楽しむ、これまたシュールな世界観が演出されていく。
こんなに酷い(褒め言葉)エロマンガを描けるかるま龍狼は間違いなく天才だ。

■笑える、しかししっかりエロい、実用性もたっぷりの一冊

ポチの身代わりを妄想して抜く度数 5 TENGA
今回のレビューでは笑える、面白いシーンに注目してしまったが、全ての話でしっかりエロい部分は描き込まれている。奇妙な設定で笑えるのが特徴ではあるのだが、実用性もたっぷりだ。
シュールで笑えるという特徴を差し置いても、エロマンガらしいエロマンガと言える「艶ママ」は、ネタとしてもオカズとしても買い。



艶ママ
著者かるま 龍狼
出版社ワニマガジン社
発売日2009年1月31日
価格1,050円

キーワード: 母親

2009年02月05日 19時20分