うらあきば.じぇいぴ~ > 二次元 > レビュー
旦那よりアナタの方が…あっ、ダメッ、またイちゃうッ…!
今回は42歳、妻帯者の私ことライター“K”が、妻のすべてをガッツリNTR(寝取られ)される「愛する妻、美咲の不倫証拠」をレビューしよう。本作は本気で寝取られのエロスを追求する“アトリエさくら”の第11作。脂が乗ったスタッフたちが、寝取られ夫を地獄の苦しみに叩き落とすために、さまざまなシチュエーションを仕掛けてくる。そのような内容なので、このレビューの内容が私の妻に知られると一大事。私の素性を知る人達は、余計なおせっかいはせずに、そっと見守っていただければ幸いだ。
さて、まずは本作の登場人物を紹介しよう。
そして、右の男性だが、もちろん主人公ではない。
このゲームは本格NTR作品なので、仲睦まじい夫婦のツーショットとか、(夫との)ラブラブなエッチシーンとかは、どんなに頑張って探しても影も形もない。この男は“毅”という名前で、美咲を寝取る敵役だ。
主人公とのシーンは一切ないのにこの男とは……。
ある朝、“友達”と旅行に行くといって出かけた美咲。しかし彼女が忘れていった携帯電話に着信が入る。見知らぬ男の名前――“毅”からのものだ。
そこで主人公は最近、妻に感じていた不審な態度について考えを巡らせる。
・美咲が拒否することによるセックスレス
・以前は完璧にこなしていた家事が疎かになった
・携帯電話を肌身離さず持っている
・友人との外出が増えた
・上記の態度は全て去年の暮から(←イマココ)
明らかに浮気を疑う状況だが、私“K”も妻が「携帯電話を肌身離さず持っている」ことに疑いの目を向けていた時期を思い出してしまった。ある時期から、朝も昼も、寝る前も……。何を見ているのか聞いても「バカにするから教えない」の一点張り。そしてある日、我慢しれきず、彼女の就寝後、こっそり携帯を開いてみたら――それは「A●B48ステージファイター」(ソーシャルゲーム)のプレイ画面だったのだ。しかも、凄いやり込み度!しかも、渡辺●友推し!?浮気の疑いはきれいさっぱり晴れたが、1日のほとんどを「A●B48ステージファイター」につぎ込む妻を見るにつけ、私はA●Bに、いや渡辺●友に寝取られているのではと危機感を感じずにはいられない。秋●康の顔がチラリとも浮かばなかったことが、唯一の救いだ。どうせなら、私がま●ゆを寝取りたい! いや、寝てみたい!いっしょにラッパを練習したい……。
冗談はさておき、主人公は携帯を調べようとしますがロックがかかっていることに気が付く。パスワードは不明。善人である主人公は悩むが、ついに妻の部屋を物色することを決意する。
ここからは、このゲームの真骨頂「探索パート」に突入する。システムは実にシンプルで、虫眼鏡のカーソルを移動させ、怪しい場所でクリックするだけ!何かがそこにあればメッセージが表示される。
これは「ミステリーハウス」(マイクロキャビン社)や「デゼニランド」(ハドソン)などの古典的アドベンチャーに採用されていたシステム(当時はマウスが普及しておらず、コマンド入力タイプ)と同じようなものだ。どうしてこんな古いシステムを採用したのかと不思議に思ったが、やってみたら理解できた。妻の浮気の証拠をアラ探しする、嫉妬と疑念に取り憑かれた夫の気持がリアルに体感できるのだ。ここはどうかな?あそこはナニがあるのかな?このカレンダーの印はなんの意味があるのかな……などなど。場所によっては「たまには俺を(旅行に)誘ってくれてもいいと思うんだが」といった主人公のつぶやきまで表現されていて、妻の部屋を漁る夫の空気感をヒシヒシと感じることができる。
実は私も以前から妻の持ち物である2個のダンボールが気になっていた。私には絶対に触れさせないそれらは、もしかしたら元カレに関係するナニかではないかと疑っていたのだ。そしてある日、妻の留守中にどうしても中身を知りたくなり、ダンボールの一つを開いてみた。不安に慄く私がそこに見た物は――なんと「シティー●ンター全35巻」だったのだ!あまりの衝撃に震えながらも、気を取り直してもう1個のダンボールを開いてみると「完全版『C●TY HUNTER COMPLETE EDITON』全32巻」が!元カレ関連品どころか、知ってならない禁断の秘密に手をつけてしまった!妻の衣装箪笥の一番下に入っていたDVD-BOX『C●TY HUNTER COMPLETE』を見たときに、もっと早く気づくべきだった。妻がひた隠しにしていた知られざる性癖に、私はよろめきを禁じえない!――結局、私が勝手にダンボールを開いたことがバレてしまい、心が擦り切れるほど怒られた。
みなさん、ダメだと言われていることは絶対にしてはいけない。
さて気分を持ち直してゲームを進めよう。
美咲の部屋から見つかったCD-ROMの中身にはこんな写真データが入っていた。
本作の最大の醍醐味――
“頑張れば頑張るほど、傷つくのは自分”
というジレンマに取り憑かれたのだ!
自分で怪しい場所をクリックして、浮気の可能性を示唆する物を発見し……だが、もしかしたらコレな何かの間違いでは? と希望にしがみつく。だが、さらに調べることで、その希望を打ち砕く物が見つかり、追い詰められ、屈辱と悲哀に悶える地獄。すぐには核心に触れず、徐々に悪夢が現実になっていく“焦らし感”が最高にエグい。気がついたら、愛する妻“美咲”が部屋ごと寝取り男への愛に染められていて、夫であるはずの自分が入る隙間もない――ていねいなプロセスで描かれているからこそ感じることができる“痛み”がここにあるのだ。
これぞまさに、阿鼻叫喚!
動画では、この寝取り男とのセックスに嬉々として幸せを噛みしめている美咲を、声優さんが愛嬌たっぷりに熱演している。もう、聞いてるだけで、鼻の奥がツンとして、胸がモヤモヤしてくる。
寝取り男のチ●ポを称えまくる美咲に、「聞いたら泣くな旦那」とからかう寝取り男。このとき、主人公は涙に濡れながら、画面を凝視している。画面がぼやけるという演出で、それを表現している。こんな泣けるシーンで、愛する妻、美咲はこんな発言をする。
「えー……でも、それ以外は旦那の方が好きだよ?でもエッチは毅の方が絶対気持いいし……」
この、あまりにも正直過ぎるフォローに、主人公は深く、深く傷つく。
そして、ほとんどAVのような美咲と男のセックス動画を見終わった主人公の一言。
「もう嫌だ」
――同感だ。
ほんとに、ダンボールから出てきたのが「シティー●ンター」で良かった……。
すべての証拠をそろえると、主人公は友人の弁護士“九条”に連絡を取ります。民事を専門に扱う彼に、アドバイスをもらうためだ。事情を聞いた九条はコチラが頼む前に「何か力になれることはないか?」と言ってくれた。
「俺とお前の仲じゃないか。それに、そのつもりでかけてきたんだろう?」
九条――めちゃくちゃイイ奴だ!この後、九条は主人公の精神を気遣いながらも、法律家として神級のフォローをしてくれる。この男がいなければ主人公は“殺人鬼”ぐらいにはなっていた可能性がある。それだけに、CGや立ち絵はおろか、一切のビジュアルが存在しないことが恨めしい!仕方がないので“堺 ●人”あたりをイメージして、いつか「倍返しだ!」と言ってくれることを期待しつつゲームを進めよう。みなさんも本作はプレイする際は、ぜひ九条は脳内で“堺 ●人”をキャステングしてほしい。私からのお茶目なお願いだ。
さて、九条のアドバイスのもと、すべての証拠をそろえた主人公は3つの選択肢から一を選ぶことを要求される。
整理すると以下のようになる。
・離婚しかないと思う……(妻と間男への制裁)
・もう何もかもどうでもいい(完堕ち)
・美咲を許そうと思う。(関係の再構築)
実は、この3つの展開こそが、本作最大のポイントだ。これは、同ブランドがファンたちの感想を真摯に受け止め、彼らの求める展開をゲームに反映させた結果の“3つの選択”なのだ。この3つをプレイすると、今まで謎に包まれていた、「寝取られゲームが好きな男たちが何を求めているのか」という疑問に一つの回答が得られる。
まず、アナタがNTR属性の持ち主なら、迷わず「もう何もかもどうでもいい」を選ぼう。アタナが見たいものがバッチリ見られるぞ。しかもみんなが幸せになれて美咲への愛も貫けるという、このゲームの「ハッピーエンド」的結末だ。「NTRゲームなら、こうでなくっちゃ」と誰もが納得するはずだ。
「美咲を許そうと思う。」を選ぶと、美咲の過ちを許し、夫婦関係をやり直す展開へと進む。夫としての誠実な決断は賞賛に値するが……みなさんは思うはず……「ホントにここまでされて、健全な夫婦に戻れるの?」と。その疑問への回答が、しっかりと描かれた一番リアリティのあるストーリーだ。
そして、いよいよ来た――「離婚しかないと思う……」。ほかの展開と比較して、この“妻と間男への制裁”ルートは、これまでの「探索パート」と同等のボリューム――すなわち本作品全体の約半分を占める濃密なストーリーが展開する。
主人公と九条は、かき集めた浮気の証拠を元に法的な裏付けに基づいた報復準備を開始。使い込まれた預金も含めた慰謝料の請求、財産分与を破棄させる手続き、もちろん寝取り男に対しても相応の慰謝料と社会的地位の剥奪を狙い、極めて周到に行動を開始する。
計画を決断した夜、九条(堺雅人)は高らかに宣言した。
「倍返しだ!」
――もちろん私の脳内での話だが。
この離婚決断後の展開はお見事の一言。
私は、このルートをプレイして二つの決意を固めた。
1.もし自分が同じような状況に追い込まれたら、このゲームと同じようにしよう。
2.弁護士に何か依頼をするなら、絶対に九条にしよう。
九条が実在しないため、私の決意は脆くも崩れ去るのだが、それはともかくとしても、非常にリアリティのある「浮気への勝ち方」がドラマティックに描かれる。
離婚協議書、公正証書、不倫報告書、離婚協議に必要な書類。
携帯などの物証がどれだけ証明能力があるのか?
どんな点に留意すれば、離婚が認められるのか?
夫婦間のプライバシーの侵害はどれだけ民法上問題となるのか?
妻に気付かれないように引っ越すには、どうしたらいいのか?
相手の男の素性を調べ、制裁を加えるには、どんな法的な手段が有効なのか?
双方の両親を巻き込んだ場合、どう対応したらいいのか?
隠していた事実を突きつけられた人間がどんな態度を取るのか?
そして――夫婦とは一体、何なのか?
これらすべての答えが、このルートにはキッチリと詰まっているのだ。
この制裁展開は、一部のNTR属性の人たちには不評だと聞く。しかし、それは当然のことで、裏切った妻や間男に勝ってしまっては、寝取られの醍醐味である“負け犬感覚”が削がれてしまうからだ。このルートはNTR属性がまだ発現していない人への入り口のようなものと考えるべき。だから「NTRってなんだろう?」と思っている人は制裁ルートをプレイした後に、「もう何もかもどうでもいい」ルートをプレイすることをオススメする。
そして
「お、コレって結構、エロいじゃん」
って思ったシメたもの。
アナタもついに、魅惑のNTRの世界へ足を踏み入れたことになるのだ。
スタッフルームでディレクターの“おんぼろ月”氏が言っている。
私の場合、妻がエロゲには寛容だが、アトリエさくらのゲームをプレイしていることは、そもそも秘密にしているので、なんの問題もない。もちろん、このレビューが妻に見つからなければの話だが……。
さて、妻に隠れて「シ●ィーハンター13巻 海坊主と足ながおじさんの巻」でも読むとするか。
■ライター“K”、振り返って一言
そうそう、うっかり書き忘れたが、このゲームのシーン回想が凄い。ゲーム本編と同じシーンが美咲視点に変更され、めくるめくラブラブ不倫エッチが楽しめる。音楽も変更されてメチャ明るいし、幸せいっぱい。この妻視点回想を見ることで、完全にプレイヤーの心が砕かれることになる。ほんとに“アトリエさくら”は何もかもわかってる感じが最高だ。
妻視点のエッチシーンは、本編と違って、ひたすらエロエロなので、ヌキゲーを求める方にも安心してオススメできる。私のレビューで本作に興味を持っていただけたら、ぜひ遊んでみてほしい! ご購入はGyuttoから!
では、残りのスペースは不貞の妻“美咲”の裏切りの記録の一部を楽しんでほしい。
愛する妻、美咲の不倫証拠 | |
ブランド | アトリエさくら |
発売日 | 2012年1月27日 |
価格(税込) | 2,570円 |
(C) アトリエさくら |
2014年11月26日 19時00分 PC版へ