うらあきば.じぇいぴ~ > 二次元 > レビュー
妹の代わりとして抱いた少女が俺の“義妹”になるだなんて!
一様に「いもうと」と言えども、紡がれるドラマやエロスはさまざま。垢抜けたテンポでギャグ空間に浸れる時もあれば、股間ともども枯れ果てるほどに泣くときもある。時には「いもうと」を「妹」か、「義妹」と記すかによって、一線超えのドラマも異ってくる。
背徳的なエロスが展開されそうな「妹」表記、距離の縮め方がポイントになりそうな「義妹」表記。「いもうと」という素材をどう調理してくるかは、まさに作品次第。中には、俺は「妹」でも「義妹」でもどちらでもウェルカムだ、という人もいるはず。そんな方に今回したいのが、まさにどちらの良さも味わえる本作「義妹だからできること、妹じゃないとダメなこと」。ヌく子もだまる官能的な「いもうと」作品の1つとして、記憶に残る作品になるに違いない。
■あらすじと概要
主人公「高藤 翔」は、世話焼きの妹「唯」と亡き父に後妻として嫁いできた義母の「高藤 ゆかり」と暮らしていたが、ある日「ゆかり」が新しい父親と再婚することに。お相手は、虚弱体質を患う翔の主治医を務める「不二夫」。メタボで連れ子ありの父親だが、家族を思ってくれそうな優しいおじさん。頼りなくも温かい父を含めた、家族4人の新しい毎日が始まろうとしていた。
ただ、翔には、だれにも言えない秘密が。それは実の妹「唯」に、異性としての好意を抱いていること。誰にも言えない、自分だけの秘密だ。
虚弱体質ゆえに保健室で休憩し眠りについていたその日も、翔は妹との背徳的な妄想に誘われ、夢精に達していた。
ただこの美少女、妹をオカズに夢精していた主人公に対して、蔑むのでも、どん引くのでもなく、微笑みを返してくるのだった。彼女は、実妹で妄想している翔を見て知って、自分と同じ人間がいてくれて嬉しい、と口にする。
身内をオナネタにする主人公に対して、引くどころか、彼女は自身も実兄を想いながら自慰を行っていることを告白する。門外不出の秘密を共有することで、お互いに口止めをしようと言い寄ってくる。
そしてこのミステリアスな美少女は、次に会うとき、男女の一線すら超えたさらなる秘密を共有しようとするのだった。
「いもうと」モノのゲームの中でも、類をみない必殺の名フレーズで、官能的に誘う少女。
ここまで口説かれてしまったら、股間を屹立させても仕方ない。
「いもうと」以外には興味がないし、行為を行う必要もない。なら、私が「いもうと」になれば問題はないはず。扇情的な誘惑に煽られ、パンストをビリビリ破いた翔に浴びせられた言葉は「……もう、元通りには戻りませんね」という意味ありげな一言。
なんという、官能的な情景だ。
「兄妹ごっこ」という建前をもちつつも、「お兄さん」と甘美な声をあげる少女に、気づいたら自分の「いもうと」を重ねていく翔。言葉とシチュエーションとギミックを用い、これでもかというほどに、プレイヤーのエロスを駆り立てていく。官能的な描写とその表現力はすさまじく、見る者の股間を圧倒すること間違いなしの殿堂級の仕上がりになっている。
しかし、本当に翔が驚くのはここから。というのも、彼女と連れ添い帰っていた途中で、母親「ゆかり」と出会い、連れ添っている美少女が新しい父の連れ子である「高藤 伊織」であると知るのだった。翔は連れ子はずっと「男」だと(勝手に)思い込んでいたので、驚愕する。
■この「いもうと」、食わせ者!
これから新しい家族になる「伊織」。今更しれっと爽やかに挨拶されても、こっちは複雑な気分だよ!彼女は「義妹」である自分の立場を知りつつも、あろうことか「兄妹」のイメージプレイを誘い、妹・唯への気持ちを逆手にとっていたのだ。小悪魔的にたぶらかし、男を翻弄していく。この「いもうと」、とんだ食わせ者だ!!
もちろん知ってる。
読者が、この美少女・「伊織」を、義妹にしてメインヒロインの1人なんだろうな、と、とっくに気づいていることを!
それでも、どうしても伝えたかった。
義妹であり、本当の妹ではない「伊織」が、淡々と「兄妹ごっこ」を提案し、情事に溺れていたことを!虚構だったはずの「兄妹ごっこ」は途端にリアリティをもち、イメージプレイという単純な枠組みを乗り越えていく。翔にとって「伊織」は「見知らぬ他人」から、「兄妹」になったのだ。
「……もう、元通りには戻れませんね」
タイトルに冠されている「義妹だからできること」というのは、ずばり「血が繋がらないからこそ許される交わり」という意味なのだろうか。だとしたら、「妹じゃなきゃダメなこと」が意味することとは?
私たちは、この作品の途中、MinkEgoの放つ「トリック」に何度も踊らされていくことになる。しかしながら、それこそがこの作品のもつ魅力であり、プレイヤーの情念を揺るがすのだ。
実はこの時点で、MinkEgoはいくつかプレイヤーに布石をうっている。シーンや展開において、洗練された表現力とギミックを駆使し、プレイヤーの感性を揺るがしていく。
はたして、「いもうと(妹)・唯」に加えてもうひとりの「いもうと(義妹)・伊織」が加わった、翔の生活はどうなっていくのか。彼女たちが織り成す物語はこの先どのような道をたどっていくのか。
同ブランドが謳う「もえくろ」の真髄を体験するのは、ほかでもないプレイヤーである貴方自身だ!
義妹だからできること、妹じゃないとダメなこと | |
ブランド | MinkEGO |
発売日 | 2013年6月28日 |
価格(税込) | 5,965円 |
(C) Mink EGO |
キーワード: 妹
2014年10月22日 17時40分 PC版へ