あああぁぁぁっ、やらっ、あ、あっ、やらっ、いやぁぁぁぁあぁぁぁ――っ!

姉妹は闇の中に居た。 もう何年も彼女らは、闇の中で暮らすことを強いられていた。 じめじめとした室内。 不意に始まり、いつまでも続けられる暴力。正体の判らない恐怖に怯え、二人寄り添って震えながら眠る夜。この夜は終わらないと思っていた。 いつまでも闇は、二人を覆い続けるのだと。「腐果の濡獄 ~蠢く妄執の連鎖……終わりのない饗宴~」は、看護師、姉妹、人妻、女刑事が殺人鬼に囚われ性の実験道具となり果てるサイコサスペンスADV。

「うわぁあぁぁぁあ……あぁあぁぁ……あぁぁ……んんんんんん……」。咆哮めいた耳鳴りに、男はうっすら目を開いた。ここはどこなのだろう? 見覚えのない天井が、霞む視界に揺れている。明滅する記憶に、男は戸惑った。自分は今まで何をしていた? なぜこんなところにいる……?気付くと辺りを慌ただしく、白衣の人間が行き交っている。とすれば、ここは病院なのだろうか。 なぜ、なぜ、なぜ、なぜ……。思考はまた、かまびすしい耳鳴りへと変わった。「うわぁあぁぁぁあ……あぁあぁぁ……あぁぁ……んんんんんん……」。男は混濁する意識と記憶に苛まれながら、それでも少しずつ、時間をかけて思い出していった。自分のなすべきこと。……“聖母” の創造。ああ、そうだ、そうだった。俺は “聖母” を創らなければならない……。男は蹌踉とした足取りで、病院を後にする。その数日後、看護師の一人が病院から消えた。永遠に。

腐果の濡獄 ~蠢く妄執の連鎖……終わりのない饗宴~

2014年01月29日 17時37分