騎士骨格を受け継いだ少年は“天使”により非日常的戦闘へ誘われる

エロゲーのよいところは、主人公やヒロインに感情移入することができれば、その世界の中の住人として、妄想がどこまでも広がっていくことだ。さらに、現実からかけ離れたストーリーにうまくハマったときの爽快さは、忘れ難いものとなる。「揺り籠より天使まで」は、、異能を手に入れてしまった主人公や天使たちが繰り広げる伝奇バトルビジュアルノベル。主人公に密着粘着発情する天使や、岩を砕きトラックの衝突すらも気にしないヒロインなど、美しくも非常識なヒロインたちに囲まれて、主人公は想像を絶する戦いに巻き込まれていく。

時は現代、国は日本。主人公の「切通ヒロ」は、2年ほど前に騎士骨格を受け継ぎ、移植を受けた。その影響でストレス性の精神病を患い、突発的に他人が無力に見え、蟻の行列を踏むように壊したくなる衝動に駆られてしまう。だから、なるべく他人と関わらず、迷惑をかけることのないよう日々を過ごしている。鈍らない程度に稽古をして、害のないよう授業を受ける。目的のない生活に、少しずつ心が腐っていく。だが、仕方ないことだと納得もしていた。俺は、迷惑をかけるだけの屑だ、と。自らを嫌いながら、それでも選び取った道と後悔はしない。けれど期待も抱くことはなく、学園へと通う。道すがら、騎士骨格の警告に辺りを見回す。 映った人影に、目を見張る。屈託のない笑顔に、意識が凍る。妙(たえ)は、ヒロのところに突然現れた、彼女は自分をヒロの天使だと言う。明らかに日本人ではない髪や瞳、整った容姿を持ち、黙ったままならば鋭い印象がある。陽炎のように消え失せたその少女を皮切りに、戦いが始まる。「私はただ、あなたを想い続けることしかできないのだから。知られなくとも、わからずとも」。……揺り籠より天使まで、愛は絶えぬ其の身より。

揺り籠より天使まで

キーワード: ファンタジー, ショタ

2011年11月24日 10時30分