泣きたいほどに綺麗な湖で妹と「サヨナラ」をするためのキセキの再会

「すずは鷹也くんのこと、大好きだよ?」。主人公・八坂鷹也の双子の妹「すず」は、明るく元気、天真爛漫な少女。誰にでも親切で優しいが、鷹也に対しては特に世話を焼く。妹のくせにお姉ちゃんぶること多々。半面、自分のことを “すず” と呼ぶ子供っぽい面も。本を読むのが大好きで、本を読むのが苦手な鷹也にいつも読み聞かせていた……。「たいせつなきみのために、ぼくにできるいちばんのこと」は、事故で失ってしまった大事な妹との再会を果たすラブストーリー。泣きたいほどに綺麗で、残酷なまでに優しいこの世界で、2人は「サヨナラ」 をするために再会する。

事故による長期入院で、1年遅れで全寮制の名門・茜華学園に入学した主人公・八坂鷹也。クラスの中、一人だけ年長であるという現実に戸惑いつつも、彼は学園に溶け込み、平穏な学園生活を送っていた。季節は初夏、6月。学園の守護聖人である“洗礼者ヨハネ”の誕生日を祝う“聖ヨハネ祭”の季節。その準備に追われる学園で、鷹也は学生たちの間で脈々と語られてきた“茜華学園の六つの秘密”を耳にする。学園の外れ。 ずっと昔、湖に水没してしまった旧校舎。“聖ヨハネ祭” の期間中、夕焼けの綺麗なときにだけその校舎は湖面に忽然と姿を現し、その中に入った者は、もう二度と会えないはずの人と出逢えるという……。それは伝説。学園という、閉ざされた空間の中で積み重ねられてきたおとぎ話。だけど、その日。泣きたいほどに綺麗な夕焼けの下。鷹也は確かに湖面に浮かぶ旧校舎を目撃し、そして“彼女”と再会した。物語の鍵を握るのは、神出鬼没の謎の少女「アカネ」。この学園を舞台のモチーフにしたとされる、「あかね色の学園の物語」に登場するキャラクターと同じ名前をしている。クールで、シニカルで、少年のような口調で話す少女。「…そう、魔法さ。ぼくは魔法を使えるんだ」。

たいせつなきみのために、ぼくにできるいちばんのこと

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2011年10月21日 10時21分