脱出困難な寒村で行われる羞恥・恥辱・白濁まみれの秘祭

東北の人里離れた山奥の谷間にある「多田根村」(ただねむら)には、奇妙な風習が今でも続いている。「日に一度、女は男の子種を飲み、男は女の小便を飲む」というものだ。古い因習が残る村で、外部の女性を積極的に迎えるための伝説の秘祭「多根憑祭事」(たねつけさいじ)が催されることになった。Guiltyの「種憑け村~白濁神、念仏講ノ儀~」は、閉鎖的な山村で今も続く淫らな秘祭の生贄となった現代女性たちの悲劇だ。

仙石大学で民族学研究サークルに所属する折原菜々子は、同じサークルに所属する先輩、猪狩義彦に心惹かれていた。自分と同じように苦学しながら法律の道を進もうとしている彼も同じような思いを、義彦を同じ思いを抱いてくれているとばかり思い込みながら、ほっこりとした幸せな日々を過ごしていた。だがそれは、菜々子の勝手な思い込みだったらしい。ある日突然、義彦から掌を返されたような態度を取られショックを受ける。さらに追い討ちをかけるように、義彦の幼なじみだと言う摩耶という美少女が現れる。義彦との間に漂う秘めやかな空気は、ただの幼なじみ以上の関係を感じさせる。菜々子のそんな疑問と妙な焦燥は、義彦の姿が、その翌日、忽然とキャンパスから消えたことでさらに膨張する。しかも、義彦のことを自分以上に知る彼の友人たちに聞いてみると、義彦は、「多田根村」という村の出身だという。ディープな知識を持つ民族学マニアの間では謎に満ちた伝説の村として別名「種憑け村」とも呼ばれ、密かに知られるマニアックな村だった。折原菜々子は大学内の文献やネットで多田根村について情報を集め、民俗学を専門にする学内の著名な教授にも教えを請うのだった。

■村長の息子が連れてきた“外部”の女がそろったとき秘祭の幕が開く
小森リカは、もともと渋谷で遊んでいた素行不良のギャルだったが、ふとしたきっかけでギャル仲間を募ってモデルの会社を立ち上げる。それが大成功し、カリスマギャル社長として雑誌のインタビューなどに度々登場している。しかし、このところ会社の資金繰りが苦しく、借金が焦げついて首が回らなくなりはじめている。六本木で知り合った男・猪狩哮と同居しているが、お互いにアクセサリー感覚で恋愛感情は皆無。哮の言う埋蔵金の話に乗り、多田根村へ行くことに。リカは、極度のブラコンで、結ばれることのなかった兄への屈折した思いをズリネタにオナニーすることが多い。大人のオモチャを愛用し、いつも密かに隠し持っている。猪狩美里は、健康食品販売会社の社長を務めている猪狩孝介の妻。夫の会社の内情は火の車で、数少ない従業員を一人、また一人と解雇しながら延命するような、心細い綱渡りの日々を続けている。実は現在、他の男性と不倫中。借金まみれの夫の世話に疲れていた時、学生時代に付き合っていた男とふとしたきっかけで再会し、焼けぼっくいに火がついた。そのため、夫との離婚を考えるようになっている。そんな時、多田根村出身の夫に頼まれ、祭事に参加するために村へ同行することに。離婚を切り出そうとしていた美里だったが、これが夫への最後の奉仕だと考えている。多田根村の村長・猪狩義允の3人息子にかかわる女性が村に集まったとき、物語の舞台は、東北の人里離れた山奥の谷間にある、謎に満ちた伝説の村へと移っていく。その村で、女たちはいったい何を見、何を体験し、どんな風に狂っていくのか。濃い霧の中に存在する、この世から忘れられた不気味な村で、今、伝説の秘祭「多根憑祭事」(たねつけさいじ)の幕が開く。

キーワード: 恥辱

2011年02月22日 11時52分