天涯孤独の主人公が妹を名乗る少女との出会いで成長する

事故で家族を失った俺は、自分の運命を呪っても仕方がないと、誰とも深い付き合いはせず、淡々と毎日を過ごしている。孤独な影をしょった彼に、入学したばかりの学園の理事長が手を差し伸べた。アパートの部屋を安く貸してあげるかわりに管理人の手伝いをしてほしいというオーダーだった。拒否する理由のない俺は、さっそくアパートに移り住み、住人たちと孤独とは程遠い血の通った付き合いをすることになる。戯画の「ひなたテラス~We don't abandon you.~ 」は、同じアパートに住むヒロインたちと心温まる交流を繰り広げる成長ストーリーだ。

神戸良久は、普通の学園生とは言いながらも天涯孤独。人生に夢を見ないタイプのイマドキな彼は、家族がいないことを悲しむでもなく飄々と毎日を送っている。人当たりは悪くないが、他人と深く付き合うこと自体が苦手なタイプといったところだろうか。良久は、学園に入学するにあたり、そんな事情を知った学園の理事長に運よく住むところを紹介してもらえた。格安で部屋を貸してもらう代わりに出された条件が、管理人の仕事をできるだけ補佐するということだったのだ。人付き合いが苦手な彼は、最初はぎこちなさを感じながら住人たちと接していたが、徐々に心を開くようになり、以前は煩わしいと思っていた人間関係にも慣れていく。アパート住人の中には、良久のクラスメイトにな梶原雛が母親と二人暮らしをしている。雛はドジっ子で思いこみが激しく、知らない人の前では緊張してしまうタイプだ。藤乃なつきは、名門校に入学するため遠方より入学してきた委員長。あまり自分の感情を表に出さないクールなタイプといえる。そして、主人公の通う学園の女教師・山中文香も住んでいる。彼女は、良久の保護者を自認する堅物教師で、風紀を担当している。彼女らに囲まれながら、緩やかに学園生活が始まった。ところが……ある日、一通の手紙を携えた“妹”を自称する少女・八乙女舞が良久の前に現れた。舞は、母親と二人暮らしをしていたが母親が亡くなり、一人暮らしをしていた。そんな時に兄がいるからそこへ行くよう一通の手紙が来て、それを頼りにアパートへやってきたというのだ。元気で明るい妹に振り回されることで良久の堅く閉ざされた心が徐々に開いていく。

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2011年02月16日 11時57分