自慢の母が実は娼婦だと知った息子の歪んだ愛の行方は…

自分を産み育ててくれた母への敬慕は誰しもが持つ。母子家庭ならばその想いはより強くなる。「娼母清華~背徳の交わり~」は、美しく優しい自慢の母が実は娼婦だったと知ってしまった息子の急変した日常を描いた作品。他人に奪われてしまった母への憧憬が狂おしいまでに暴走する。

父を早くに亡くし、母の深沢清華と二人で暮らしてきたのが主人公の悠。父が遺してくれた保険金と遺産のおかげで金銭的には不自由しない暮らしをおくっていた。思春期を迎えた悠にとって、美しい母は自慢であり、ときどきその姿にドキマギすることはあったも、それは愛情ではなく、敬慕であり憧憬という域を出ることはなかった。そんな母子の関係を劇的に変えてしまう存在が突如現れる。学園に転校してきた双子、芹沢茜と正樹は、悠の母のことをよく知っていると言う。週に3日ほど働きに出る母の勤め先が芹沢茜と正樹の母親が経営している会社だというのだ。「お母さんにはナイショだよ、ビックリさせたいからね」と、母の職場を見に行こうとさそう2人。母の仕事が気にならないといえば嘘になる。悠はその誘いに乗った。

■マジックミラー越しに見た母は見知らぬ男に奉仕する娼婦だった
双子に案内されて訪れたのは都内の高級マンションのフロアをぶち抜いた一室。直通のエレベーターでしか行くことができない、会員制の倶楽部だった。ステージの上で半裸になり、妖艶に腰をくねらせて踊る母の姿に、衝撃を受ける悠であったが、驚くべきことはさらに続く。会員制の倶楽部の実情はセレブのみ入会が許される超高級娼館というべきもので、酒席にはべるだけではなく、性的なサービスを提供していた。マジックミラー越しに見た母は、誰ともわからぬ男のモノに奉仕し、男に求められるままに身をまかせ、複数の男性のモノを巧みにしごき、絶頂へと導き、精液にまみれる。そこにあるのは敬慕する母の姿ではない。その淫蕩さにただ驚くほかなかった。それもそのはず、清華は悠の生まれるずっと以前から娼婦だったし、今もなお娼婦なのだ。

双子は説明する。清華はもともとこの娼館の娼婦で、父と知り合ったのもここ。結婚したことで一時娼婦を引退していた。しかし、父が遺した、裏の資金の洗浄に関わる表ざたにできない負債を返済するために父の死後、娼婦として復帰したというのだ。芹沢正樹は追い打ちをかけるように「清華さんは人気者だから、まあそのうち、穴埋めも終わるだろうけど、それが何時になるやら・・・」と告げる。さらには「君が手伝ってくれるなら、ずっと早くお終いにできるかもね」とも。想像だにしなかった母の姿に呆然とする悠の耳元で芹沢茜がささやいたのは「新しくて刺激的なショーを期待されてるんだ、・・・そう、たとえば、禁断の母子相姦ショーとか」という恐ろしい提案であった。

■敬慕する母を失った息子は母の身体に欲望を吐き出す
母が現役の娼婦であり、かつて父はその客であったという事実は、多感な思春期の少年を混乱させ、行き場を失った暗い感情を暴発させるのに十分であった。それでなくても母の淫らすぎるほどに淫らな姿が目に焼き付いている。その夜、寝入っている母に向かって、悠は精を浴びせる。自分の放った精液にまみれる母の姿に告げたのは、敬慕する母への決別であり、この瞬間から始まった母との新しい関係への期待と決意であっただろう。

芹沢茜もまた、自分が娼婦の娘であることに暗い感情を抱いていた。娼婦の子供であることを知らずに安穏と生きている主人公が癪に障ったとしても不思議ではない。その感情が主人公を娼館に連れて行き、母の姿を見せることで絶望感を与えるという行為を生んだのだとすれば、迷惑な娘といえる。彼女は、既に現役の娼婦でもある。娼館の経営者である母(こちらは清華へのやっかみを持つ)によって若くして娼婦として生きることを強要されたとすれば、主人公を許せないと思う感情は、間違ってはいるが納得はできる。茜は特訓と称して、悠をもてあそび始める。


そして、いよいよ、前段のクライマックスといえる母子相姦ショーの日が訪れる。仮面で正体を隠したままステージにあがる悠に、母の清華は娼婦の手管と、むき出しの女としての媚態をもってまとわりつく。母の体の気持ち良さ、背徳感がもたらす甘美な感情に身を委ねる。ついに、多くの視線を浴びながら母と子との一線を越えてしまう。母と子という関係を基にした2人の日常は、ステージの上で母を貫いた瞬間に終わりを告げた。

母という仮面をかぶりながらももともと多情な女である母と、憧れの母の身体を自分のモノにした思春期の息子。娼婦という負い目を持つ一方で、母としての包み込むような愛情を示す清華と、自分を産んでくれた母を憎もうにも憎むことができない悠の関係は刺激的であると同時に物悲しくもあり、愛に満ちたものである。また、悠は芹沢茜の母である真理子とも関係は持つことになっていく。どういう心境でそうなったのか。愛と肉欲、嫉妬や憎しみが渦巻くこの物語の行方はプレイヤーに委ねられた。


娼母清華~背徳の交わり~
ブランドローズクラウン
発売日2010年7月30日
価格DL版7980円/パッケージ版9240円
(C)ローズクラウン

キーワード: 売春, 母親

2010年07月26日 14時55分