1人の妄想逞しい人が供給した作品を似た妄想を持つ多くの人で消費するのが同人市場だとすると、コスプレメディア館の作品は、××というキャラとセックスしたい、できれば中出しでという実にストレートな妄想を供給してくれる。ひねりはない。ひねりがない分最大公約数的な妄想となる。
1つ1つの作品を見れば、なるほどエロいと感じる一方で、複数の作品をまとめてその特徴を紹介するとなると途端に書くのが難しくなるのがコスプレメディア館というサークルだ。とにかく妄想の質が素直でストレートなのである。すべての作品の主題はこうだ。「大好きな××のエッチな姿を見たい。セックスもしたい。できれば中出しでしたい」。これが2次創作漫画であれば、いくらなんでもストレートすぎるし、もう少し妄想を膨らませるための手掛かりがほしいということになる。しかし、コスプレメディア館が提供する妄想は2次元ではない。コスプレイヤーさんの生身の体を大好きな××というキャラのコスチュームが包んでいる。写真や動画に映し出されるエッチな肢体や淫らな行為は、妄想であるが生々しさを伴っている。妄想が生々しさを帯びると、2次元原理主義の人は「それは妄想ではない」と言うだろう。しかし、2次元は大好きだけど2次元の中だけでは生きられないという大多数の人にとって、コスプレメディア館の作品は、妄想を膨らませやすい3次元作品として消費しやすい作品となる。
■エロけりゃいいじゃないというストレートなメッセージが小気味よい
コスプレメディア館の作品の多くは「Lover's Room ○○」という作品名でリリースされている。○○に入るのはキャラの名前ではなく、コスプレネームであることに、同サークルの作品の特徴がある。主はキャラではなく、コスプレイヤーさんたちなのである。一方で「超有名レイヤーさんの裏バイト」という煽り文句があり、○○に入るコスプレネームは必ずしも誰もが○○と聞いただけで、誰だか分かるようにはなっていない辺りが複雑だ。コスプレメディア館はAV女優の優木夏を起用した作品や、コスプレではない凌辱作品などもリリースしており、サークルの軸足がどこに置かれているのか少々見えづらい。開き直って答えてしまえば「エロけりゃいいじゃない」と言うことになる。エロ妄想を扱った作品なのだから「エロけりゃいいじゃない」という主題の置き方に間違いはないし、実際、コスプレメディア館の作品はエロいのだ。
最近新作がリリースされた2人のコスプレイヤーさんの作品を紹介する。「Lover’s Room ひかる」シリーズは「ひかる」「ひかる01V」「ひかる02」「ひかる02V」「ひかる03」がリリース済みだ。「ひかる01」は初音ミクもの、「ひかる02」はブリジットもの、「ひかる03」は秋山澪もの。数字だけのものは写真、「V」とついているのは動画作品。写真作品は変色した肉まで見せてくれるし、動画作品はフェラ、本番と淫らな行為を行う様子を動画で見せてくれる。写真で男なら誰だって見たいその部分を法律で許されるギリギリまで見、動画はAV女優顔負けでハードにヨガる姿を楽しむという構成になっている。
「Lover’s Room 美咲」シリーズも構成は同じ。「美咲」「美咲V」はセイバーもの、「美咲02」「美咲02V」はネム、「美咲03」「美咲03V」は不知火舞もの。こちらも写真でじっくり、動画で淫らな動きや声を楽しむという構成になっている。フェラ上手でヨガリ上手な美咲が、人気キャラのコスチュームを着て励む姿は、市販のコスプレAVにはない生々しい迫力があり、「中だめぇ~!」と絶叫しながらもしっかり中出しされちゃう姿に男は勃つのである。
キーワード: ボーカロイド
2010年06月18日 13時37分