千本のエロゲを踏破した男がエロゲメーカーを立て直すエロゲ

えろげー!~Hもゲームも開発三昧~「学生時代は何に打ち込みましたか?」という面接官の問いで「エロゲ千本を踏破しました」と答えるしかない男。当然、就職先はエロゲメーカーしかないのだが、この男……絵は描けない。シナリオだって書けないし、作曲なんか絶対ムリ。持っているのはエロゲの知識と情熱だけ。倒産寸前のエロゲメーカーを立て直すことができるのか……というエロゲが「えろげー!~Hもゲームも開発三昧~」。

えろげー!~Hもゲームも開発三昧~主人公が入社した「フラワー」という会社。実は倒産寸前で、次回作が売れなければ消滅確実。既に社員の給料も払えていないという有り様なのである。エロゲに詳しいのなら、どうしてそんな会社を選ぶ!というツッコミはごもっともだが、たくさんの会社に落ち続けた末の苦渋の決断なわけで、責めるのはかわいそうだ。さて、社運をかけた次回作……凌辱ものでいくということは決まっているのだが……フラワーのエロゲ……エロくないのである。エロくないエロゲを作っているスタッフで際立つエロさを演出しなければならないえろげー!~Hもゲームも開発三昧~凌辱ものに社運を託すというのであるから、経営判断の明らかなミスなのだが……せっかく就職できた会社がこのまま倒産では浮かばれない。「エロいエロゲーが作れるように、オレ頑張りますっ!!」と絵は描けない。シナリオだって書けないし、作曲なんか絶対ムリな男は一念発起、ついでに一杯勃起しちゃうのであった。

■絵は描けるしシナリオも書けるけどエロくない女の子から開発だ
えろげー!~Hもゲームも開発三昧~フラワーのエロゲがエロくない理由は、スタッフにある。スタッフの質に問題はないのだが……全員女の子というスタッフの性的な経験値があまりに低すぎるのである。性の見通女(おぼこ)いスタッフの作ったエロゲが生み出すエロさには限界があるということだ。メイン原画の姫乃きさらは人気同人サークル出身で実力はある。顔はかわいく描けるし、デッザン力にも問題ない。でも……エロい構図や画面バランス、肉感描写が大の苦手で、かわいいけどヌケない絵を描いちゃう娘なのだ。原画担当の悪いとこだけはしっかり踏襲していて、プライドが高いのだが、何日で1枚あがるのかは彼女の気分次第という実に困った娘だったりする。

えろげー!~Hもゲームも開発三昧~シナリオライターの藤原桃花はBL雑誌に短編小説を発表し、それなりに人気もある。小説が書けるくらいなのだから、シナリオの構成力やキャラクターの描写力は水準をクリアしているはずなのだが……女の子読者を相手に、男×男の絡みを妄想で描いてよいBLモノと違って……男×女となると妄想だけでは描ききれない。性描写がファンタジーになっちゃうのであるからエロくなりようがない。しかもきれいなもの&かわいいもの大好きなので……凌辱モノが書けるとは全く思えなかったりする。

えろげー!~Hもゲームも開発三昧~グラフィッカーの高坂伊織も同人で活躍しており、キャラクターや背景彩色についてはハイレベルな塗りの腕前を持つ。しかし……エロゲーとして重要な汁 (精液・愛液・汗・唾液) や肉感表現など、エロさをあおる彩色が全くできないという実に困ったグラフィッカーなのだった。しかも無口でマイペース。とにかくコミュニケーションが取りづらいタイプなので、彼女に男が秘める汁への想いを伝えるのはなかなか苦労しそうだ。

■制作、営業、広報一丸となってこそ売れるエロゲが出来上がる!
えろげー!~Hもゲームも開発三昧~これに加えてどう見ても小学生にしか見えないけれど最年長という設定の園野寧々社長は営業兼 ディレクター兼スクリプター。最大手エロゲー雑誌の担当編集である筆坂知子。新人若手声優なのに最近自分の演技に停滞を感じ悩んでいるという声優の愛沢れもん。フリーのグラフィッカーである此花みき(本名は美貴龍之介で男)。流通会社社長の鳳麗奈。
えろげー!~Hもゲームも開発三昧~えろげー!~Hもゲームも開発三昧~

えろげー!~Hもゲームも開発三昧~凌辱モノを作るというからには凌辱とは何たるかを掴み、その真髄を凌辱大好きな男どもに届けなくてはならない。そのためには制作にも営業にも広報にも妥協は一切許されないのである。エロゲに対する情熱で、制作者たちを見事に成長させ、歴史に残るエロゲを作ることができるのかっ! 涙ぐましくはないけど、とってもエロい開発が始まるのであった。

2010年05月21日 15時50分