学園の女王様に「私のご主人様になりなさい」と命じられたら

Mの女王様Sはご主人様で、Mは奴隷。でも、Mをいかに感じさせるかに腐心し頭と神経を使うのがご主人様、受身なのをいいことに「この御主人様って下手!」なんてことを内心考えているのが奴隷というもの。松浦理英子が指摘するSMの本質をドタバタコメディ調でゲーム化したのが「Mの女王様」という作品。マゾ奴隷の業の深さとご主人様の大変さを思い知ろう。

Mの女王様平凡で目立たない学生だった主人公、斉藤武は、ある日、学園の女王様と呼ばれる学生会執行部部長の皆川いつきに呼び出される。級友に譲ってもらったSM写真集やAVが見つかってしまい、そのことを叱責されると覚悟して女王様の前に……女王様の口からは信じられない言葉が……「貴方、私のご主人様になりなさい」。ご主人様を何と心得る!とツッコミを入れたくなる奴隷宣言なわけだが、学園の女王様に逆らえるわけもなく、ご主人様にされちゃうのである。

■女王様気質のマゾヒストに恥辱を与える立派なご主人様を目指せ
皆川いつきは、まごうことなくドMである。執行部部長なんて立場にふんぞり返っているのも、そのおかげで恨みや妬みの視線をもらえるからであるらしい。そんなドMな女の子からご主人様としての教育と受けるのだからうらやましいような、うらやましくないような展開で物語は進んでいく。羞恥責め、露出、スパンキングと妄想大好きエゴマゾ(エロゲ的表現ではツンマゾ)女子が、自分の妄想通りに責めてくれ(責めさせられ)るご主人様をゲットしたのであるから、妄想実現に向けて邁進しちゃうに決まっている。付き合うご主人様は、SMに興味はあるものの……実際に女の子を調教したいなんてことは夢にも思っていなかったわけで、ご主人様然と振舞うことを要求されて、頑張る姿がほほえましいし面白い。足指にお口で奉仕させるという主従関係を象徴する定番プレイや電車での露出エッチなどで、いつきを責めるうちに、それなりにご主人様っぽくなっていくのだ。プレイは羞恥系なのにすべて和姦というのもリアルのSM関係っぽくて面白い。

もう1人、この奇妙な主従関係に巻き込まれる少女がいる。倉田美奈はいつきのことを「お姉さま」と慕う女の子。いつきと主人公との関係を知り、主人公に脅されて大切なお姉さまがという勘違いをしてしまったことで、望まぬ羞恥にまみれたプレイに参加することになる。傍若無人で攻撃的な性格なので、MというよりはSの資質の方がありそうなのだが、「お姉さまのためなら何だってします。たとえ屈辱に耐える事になっても」なんていう若気のいたり&百合的純愛思想が暴走した結果、オナニーを強要され、「アンタのおちんちんを……私のまんこに突っ込んで……気持ち良くして……ください……」なんていう普通の女の子なら一生言わないであろう恥ずかしい言葉を言わされ 大好きないつきと一緒にマゾの快楽に目覚めて行くことになる。

キーワード: 奴隷, 学園

2010年02月12日 23時59分