恋愛したい女の子と進級したい男。幼馴染の恋の行方は?

主人公は赤点グランドスラムという偉業を成し遂げるまでに勉強ができない。幼馴染の女の子は学校の期待の星。生徒会長になってもらいたい人材No.1。落第免除の条件は幼馴染を口説いて生徒会長にすること。「SchoolCaptain 会長候補はご立腹」…幼馴染の恋の行方は?

SchoolCaptain 会長候補はご立腹時の内閣総理大臣の鶴の一声で始まった「全国生徒会長コンテスト」。いつの世も権力者は迷惑なものである。豪奢な報酬を目指して全国の学校はしのぎを削るわけだが、そんなことは関係なく青春を謳歌しているはずだった生徒が2人。1人は本編の主人公、吉良桂介。この子は端から全国生徒会長コンテストとは無縁の存在である。とにかく、勉強ができない。赤点だらけで進級すらままならない。もう1人は、主人公の幼馴染の五十嵐凛。こちらは学校期待の星。成績は学年トップで、全国模試でも上位、おまけに運動神経まで抜群というのであるから人望が集まらないわけがない。

SchoolCaptain 会長候補はご立腹全国生徒会長コンテストの豪奢な報酬にありつきたい先生たちが主人公の赤点に目をつぶるかわりに凛を生徒会長に就任させろと命令したことで話が転がり始める。昔から強気一辺倒な勝ち気な彼女を何とか口説いて、生徒会長になってもらわないと留年確定の身となっては、頑張ってみるしかない。でも……ただでさえ強気な彼女が主人公には特にツンツンするもんだから、お先真っ暗である。

■素直になれない恋する女子と鈍感すぎる男の子は交われる?
一か八か、率直に生徒会長就任をお願いしてみることにした桂介は、凛と屋上で話すことに。このときの凛の表情や態度がプレイヤーの胸をキュンキュンさせてくれる。
何事かと思うじゃない、けーすけのくせに」と表面、強気な態度を保ちながらも、桂介が話を切り出そうとすると「や、やっぱり、そっち系の話なのよ、ね」と頬を赤らめ伏し目がちになる。明らかに期待している。で、切り出された話が、進級したいから生徒会長になってくれ、なのだから凛が哀れである。答えは決まっている。「誰がなるか~~~~~~~~~っっ!」。

それでも進級したい桂介はしつこく食い下がって、何とか条件を満たせばというところまでは漕ぎつける。「あたしが一番欲しいと思ってるものを当てて、それを持ってくること」。竹取物語の時代から続く恋愛ゲームの定番である。
そしてそれは、幼馴染との約束を思い出すことを望む凛の恋の駆け引きでもある。「一番欲しい」ものをすぐに気付かない桂介に向けられた凛の表情がこれまた実にいい。幼馴染との約束といえばアレであるが、屋上での凛の表情を見ても何も気付かなかった超鈍感男の桂介が相手では……トンチンカンなプレゼントを見て頭を抱える凛の恋が実る日は来るのか?

CGが公開されているし、恋愛が成就しないとみんなが大好きなエッチなCGが見られないので、当然ではあるが、素直になれない恋する女子と鈍感すぎる男の子との間の恋は成立する。凛の気持ちに桂介が気付いたきっかけは実にドキドキするいいシーンなのだが、これ以上書くとネタバレだと怒られそうなので、自分でプレイして確かめてほしい。もどかしい恋愛がドタバタコメディに埋め込まれた、プレイした後味が最高によい作品であった。

キーワード: 幼なじみ, 純愛

2009年12月25日 23時59分