道具としての生に倦み死を望む少女が性処理具として生きる

公衆快楽施設 Macht Frei.人間は社会を構成する道具であるという考えを突きつめた世界。少女は課せられた道具としての生に倦み、死を選ぶ。自殺志願者が送られる「公衆快楽施設」で性処理道具として生きていくことを強いられる。「Macht Frei.」と書かれた扉をくぐった瞬間から始まる少女の新しい生活。与えられるのは恥辱と恍惚、快楽と苦痛のみ。ただの肉となった少女は生きることを選ぶのだろうか?

公衆快楽施設 Macht Frei.三島冴子という少女は自らの葬式を終わらせ、公衆快楽施設で別の少女、桜桃として生きることになる。市民として抹消された少女は既に人間ではない。一般人の性欲発散装置としての機能を果たすことを課せられた道具となる。
公衆快楽施設 Macht Frei.少女の一人称でつむがれていく物語の終着点は生か? 死か? 道具としての自分に倦んだ少女は、道具としての悦びに目覚めるのか? 少女は変わっていく。変わらざるを得ないほどに激しい責めが加えられるからだ。しかし、彼女は変わっていく自分を客観的に捉える冷静さを持っている。

公衆快楽施設 Macht Frei.快楽は少女を変える。性処理道具としての自分の姿を楽しんでいるかのように感じることさえある。男性器が勃起することを望み、男性を煽るための淫語を口にし、その口の中にそれを収める。「だから私は、もっと、高ぶって……そしたら、ソレも…… 高ぶってきて、大きくなって、また……ああ……っ!」。
公衆快楽施設 Macht Frei.自らによって変化する男性器の姿に悦びを感じ、その精を受け止める。イラマチオを強制されても、「私はその余韻を、苦い余韻を愉しんでる。 荒々しさの後の、苦い、余韻を……」と被虐的な悦びを感じるようになっている。

公衆快楽施設 Macht Frei.無機質な道具での責めや輪姦に供されてもなお、「とても、無様な、姿……真っ白に、汚されて……それでも……。誘いかけて……精液を……誘って、さらに、ぶちまけられて……」とさらなる被虐を乞い、「……貴方を、感じていたいの」と快楽を進んで求めることさえある。
公衆快楽施設 Macht Frei.……どうすれば、キモチヨクなれるの?  快楽を……この状況で得られるというの?」。道具として機能することに喜びを感じ始めた少女への責めはそれで終わりではなく、延々といつ尽きることなく続いていく。死を望んだ少女はここでしか生きられない……ここでしか機能しない道具となる。

キーワード: 玩具

2009年11月27日 19時10分