打開策なき絶望が男たちを膣穴に向かわせる「Last Waltz」

自分の置かれた状況に絶望し、打開策を見いだせなくなった男たちの集団ヒステリーにも似た行動を見事な筆致と美しいCGで活写した野心作がGuiltyの「Last Waltz(ラストワルツ)~白濁まみれの夏合宿~」だ。閉ざされた空間で男たちが理性を少しずつ失い捌け口を膣穴に求める。

舞台となるのは、日本以外の国にある離島。裕福な子女が通う宮ノ森学園では、この島で運動部の合宿が行われている。合宿も順調に日を重ね、中盤に差し掛かったというときに、ラジオから信じられない話を聞くことになる。島がある国で内戦が起こった。帰りの船は目処が立たず、食糧すら届かなくなる。状況を把握するために男性教諭を乗せて島を離れた船は沈没し、男性教諭たちは砂浜に打ち上げられた。
楽観できる状況はどんどん失われていき、頼るべき存在が減っていく。食糧の供給が断たれているため、餓死することだって考えられる。運動部の男子生徒を中心に理性を保って自治的に運営されているかに見えたが、心に占める絶望の闇が理性を覆い包んだとき、事件が起きる。

■5人のヒロインと4つの男性の集団が繰り広げる人間の狂気
島にいる生徒の大半は運動部の男子生徒。マネージャーとして数人の女生徒と女性教諭、そしてハウスキーパーとして雇われている現地の人だけが女性。集団の中で女性は少数派で、その立場は圧倒的に弱い。野球部マネージャーの望月有希(2年)はもともと自分も野球をやっていたスポーツ少女。野球部キャプテンとは幼馴染で気になる存在でもある。
ラグビー部マネージャーの見城真綾(3年)は超高ピー系のお嬢様キャラでとてもマネージャーが勤まるとも思えないのだが、内申書の点数稼ぎにマネージャーをやっている。仕事をしない真綾の変わりに働いているのが明るくしっかりとした性格の日野雛子(1年)。兄がラクビー部OBだったため、ラクビーが好きになりマネージャーを勤めている。これに女教師の烏丸都子、ハウスキーパーのアルバイトをしているシンシア・サグリット。この5人だけが島にいる女性である。

島にいる男子生徒は、野球部、ラクビー部に加えて、サバイバル研究会、アニメ研究会というオタク系男子の集団。サバイバル研究会の部長は見城真綾に告白して振られたことをいまだに根に持っている。アニメ研究会の部長は元野球部で、望月有希や野球部キャプテンと幼馴染でもある。部長個人が望月有希に恋心を抱くだけでなく、小柄でアニメにも詳しい日野雛子を部全員でアイドル視している。
5人の女性に4つの男性の集団が、地理的にも精神的にも閉塞感がある島を舞台にどういう行動を起こしていくのかが作品の見どころ。絶望が産む狂気は、理性を奪い、個人の想いは集団に飲み込まれていく。女性は身の危険が高まりつつあることを意識しつつもなす術を持たない。

■白濁にまみれながら「この島で私達は生きている。でも……」
1日が経ち2日が経ち、最初は理性的に振舞っていた男たちの精神が壊れ始める。狂気の捌け口となったのが女性の膣穴。ある者は恋焦がれていた女性との想いを遂げるため。ある者は復讐のため。ある者は単に少しの間だけでも絶望を忘れるために女性を襲い、精液をまき散らす。
狂気に狩りたてられた男たちを相手に女性にはそれを回避する策はなく、次々と体を与えていくよりほかない。それでなくても相手にしなくてはいけない肉棒は多くあり、複数の男を相手に3つの穴と両手を同時に使って男たちの精を受け止めていくことになる。

身の置かれた状況が絶望的で、死ぬかもしれないのは彼女たちにしても同じなわけで、そんな中で3人、4人の男性に身を捧げなくてはならない彼女たちの心理もまた作品の見どころといえる。
運動部員の雑用をこなし、献身的に奉仕するのが勤めのマネージャーたちがどんな気持ちで男たちの行動に対峙していくかは、男たちを狂気に駆りたてたのと表裏をなしている作品の面白さとなっている。

作品の概要を書くと、重いテーマの作品のように感じるかもしれないが、CGの質が高いのでエロゲとしての実用性は極めて高いということを併せて書いておく。


Last Waltz~白濁まみれの夏合宿~
デモムービーダウンロード
ブランドGuilty(ぎるてぃ)
発売日2009年11月27日
価格9240円
(c) Will/Guilty

2009年10月30日 13時57分