偶然復活させた悪を倒すため、同じく偶然復活させた3人の美少女賢者と契約(エンゲージ)!

魔法少女、変身ヒロインが主人公と共に悪と戦う、戦う乙女系のアドベンチャーゲームは人気の高いジャンルで、おた☆スケでも多数のタイトルを取り上げてきた。
CLOCKUP team.LILACによる同ジャンルのタイトル「とらい☆すたーず」はその中でもとりわけオススメできる1作と言える。

攻略可能なヒロインは5人と少な目の印象だが、それぞれのルートは太く、濃いストーリーに彩られている。
人々を守るための激しい戦いも、平和でコミカルな学園生活も、ヒロインと主人公の心のつながりもしっかり描き切ったシナリオは必読に値するぞ!



●主人公が復活させたのは強大な敵と3人の美少女賢者

星震戦争(せいしんせんそう)―――
かつて星煌教会率いる人類と魔眷属(ディアブロ)との間に起きた争いは、後に「星を震わせた」と伝えられるほどの激しい戦争だったという。
その戦いで人類は辛うじて勝利を収めることができた。ある者は息絶え、ある者は傷つき、ある者は英雄となった。
英雄となった者達のその後を知る者は少ない。
英雄の1人は国を興したが、その国もやがて内乱で果ててしまった。

そして、時は流れて――― 今

ルインステラ学園。
星皇の統べる魔法の世界、リーンスヴェル共和国の首都・ルヴァールにあるその学園は、星煌教会に連なる教育機関として国の内外から多くの生徒が通う名門校である。
その学園に通う、(魔法分野の劣等生である以外は)ごく普通の生徒「カズマ・ブリード」。
ある日、彼はふとした偶然から学園に隠されていた3体のマギ(賢者)の像を見つけてしまう。それが古くから学園に伝わる『大いなる力』と『穢れなき魂』、そして『永遠の命』を与える奇跡のアーティファクトではないかと思い、ついそれぞれの像の胸元に埋め込まれていた3つの宝珠を取り外してしまった。

その瞬間。
宝珠は主人公の身体に吸い込まれ、砕け散った像からは3人の女の子が現れた。
そして3体の像が囲む空間が歪み、禍々しい気をもった影が…4、…5、…6体。その内の1体がカズマに襲い掛かる。

ただ1人目覚めた女の子とカズマはすんでのところで影を討ち払ったが逃げられてしまい、女の子は息も絶え絶えに。
曰く、宝珠の力によって維持されている彼女は宝珠がない以上、取り込んだ者と『契約(エンゲージ)』することで維持するしかないという。
なし崩しに『仮契約』の儀を交わしたカズマは宝珠を奪った後ろめたさもあり、3人の女の子「ミュー」「ヴィナ」「リズ」と共に影を倒す事になるのだった。

▲カズマが復活させてしまった七影刃(しちえいじん)は、ディアブロの中でも特に強力な能力を持つ七つの個体だ。カズマはいち早く目覚めたミューと力を合わせて七影刃を撃退するが、力を失ったミューを救うために彼女と契約し、感覚や魔力を共有することになる


なし崩し的に、もしくはウルトラマン的に契約を交わしたミューとは異なり、「ヴィナ」「リズ」はカズマと契約するかどうかの判断を迫られる。
契約すればカズマの持つ魔法(エタニティック)の力を共有し、マギとしての力を使えるようになるのだが、契約にはキスする必要があるのだ。

▲最初は契約なしで力を取り戻すための特訓をするリズ。負けず嫌いな彼女は現在の自分のあまりの非力さを悔しく思い、カズマと契約を結ぶ

▲ツンデレで貞操観念も強いヴィナは、マギとして七影刃と戦う使命の重さを理解しつつも、最後まで契約に抵抗する。契約には心のつながりが重要らしく、彼女と心を通わせる必要があるのだ

▲カズマと契約し、マギとしての力を取り戻した「ミュー」「ヴィナ」「リズ」はエタニティ・ギアという戦闘用の衣装に身を包んで戦う。魔法少女モノに定番の変身シーンがきっちりアニメーションになっているのがうれしいぞ!


●アニメのようにテンポよく進むストーリーが面白い! バトルも学園生活も波乱万丈だ!

本作は全10話のストーリーに分かれており、次回予告などを交えながら進むテレビアニメのような構成になっている。
ディアブロたちとのバトルは徐々に激しさを増し、その合間に送る学園生活は対照的にコミカルなものとなっている。
緩急の付いた構成がプレイする側を飽きさせることなく物語に引き込み、テンポよくゲームを楽しむことができるぞ!

ゲームをプレイしてヒロインの通り名(ゴールドエクスペリエンスとか)などでピンと来る人もいると思うが、本作には様々な“ネタ”も仕込まれている。
詳しくは書かないようにするが、ヒロインのセリフや行動などからも、そうした分かる人には分かる“ネタ”が飛び出してくるのが本作の面白いところだ。

▲綺麗に描き込まれたCGに、動きのあるエフェクトを多用し、バトルシーンは迫力のあるものとなっている

▲個性的なサブキャラクターたちとの絡みもあって、バトルとは対照的に学園での生活はコミカルなイベントも多数巻き起こるぞ

▲ストーリーの後半からはヒロインごとに独立した内容へと分岐する。そのどれもがしっかり練り込まれた、読み応えのあるシナリオを軸に構成されている


●心の結びつきが契約の効果を高め、より大きな力を引き出していく!

主人公と3人のマギが交わした契約は、心の結びつきが強くなればなるほどその効果を高めていく。
キスでお互いのことを意識することによって交わされた契約だが、より強い結びつきを得ることによって、さらに高い効果が期待できるというわけだ。

つまり、エッチして心も体もしかりつながれば、契約によるつながりも強化されるということ。
もちろん、心の結びつきが大事だから、体だけのお付き合いなんてのはもってのほかだぞ!

▲なぜか主人公との契約の効果が切れてしまい、より強い契約を交わすために「セックスしましょう」と気軽に提案するミュー。マギとしての使命を果たすために自分を蔑ろにしているように見えるが、そこに彼女が抱える秘密があるようだ…

▲ミューのカズマへの想いを知るがゆえに、自らは身を引こうとするヴィナ。しかし、カズマのヴィナへの想いも止められず…。エタニティ・ギアの黒ストッキングを破ってのエッチも用意されているぞ!

▲普段は淡々としているマギの中では一番のロリ体型、リズ。普段とのギャップがある分、エッチのときの表情がかわいすぎる!

▲幼なじみの少女ティアと、七影刃と互角に戦えるほどの力を持った謎の少女ゼロも攻略可能なヒロインだ


●全てにおいて申し分のないクオリティで楽しめること間違いなしだ!

戦うヒロインモノでは当たり前のことだが、世界設定やヒロインたちの能力、必殺技、敵の設定などは、一歩間違えると、いや、間違えなくとも確実に中2病と言われてしまうような内容のものになりがちだ。
その設定を素材として完全に調理しきっている本作のシナリオは、中2病という言葉などほとんど浮かんでこなくなってしまうほどの完成度となっている。
それだけに、シナリオを進めるごとに自然とストーリーの中に引き込まれていき、主人公やヒロインに感情移入してしまう。
まるで自分が主人公カズマとなり、ヒロインたちと契約し、つながっているかのような連帯感まで感じられるような作品になっているぞ。

難点を挙げるとすれば、非常に魅力的なサブヒロインたちのエッチシーンがないという点だろうか。
このあたりはファンディスクでのサービスを期待したいところだ!



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とらい☆すたーず
ブランドCLOCKUP team.LILAC(チーム・ライラック)
ジャンル召還魔法学園アドベンチャー
原画・キャラクターデザインしのづかあつと
シナリオ一方 心 (いちかた・しん)2MB程度
ディレクター芽仲田 慧(めなかだ・けい)
発売日2008年3月28日
対応OSWindows2000/XP/Vista
メディアDVD-ROM
CGフルカラー800*600
音声フルボイス
価格9,240円
詳細はこちら



2008年05月07日 13時45分