あの手この手で兄攻略! 妹のラブラブ攻撃が楽しい「Groove Tube」

 今回紹介する「Groove Tube」は、筆者的にずっと「早く単行本出してくれ~」と待ち望んでいたエロ漫画界の新鋭、けものの★の初単行本だ。けものの★は、ピチピチした瑞々しい画風の持ち主で、くるくる変わるキャラの表情がとても魅力的な作家さんだ。すごく楽しそうなエッチシーンを描く人なんで、ぜひお見知りおきいただきたい。



●激!兄ラヴな妹の誘惑に、お兄ちゃんはメロメロ

 この「Groove Tube」には、兄妹モノのエロエロラブラブストーリーである「ぐる~みんぐっ!!」シリーズ全6話を中心に、短編の「副音声。」「やえば」「ムチとは罪」の全9本の作品が収録されている。


 この単行本では、やはりメインとなっている「ぐる~みんぐっ!!」シリーズが面白い。これは兄大好きな女の子・メグが、あの手この手を使って愛しのお兄ちゃんを誘惑しまくって、籠絡していくというお話だ。譲とメグは、両親を事故で失って二人暮らし。譲は妹想いで、保護者として彼女を大事にしようと頑張っているのだが、メグは兄に対してアプローチをガンガンかけまくっていく。


 メグは快活な性格でルックスも上々、ほかの男子にもよくモテる。しかし異性となるとお兄ちゃん一筋。とにかくお兄ちゃんが大好きなメグは、何かにつけて兄に身体を押しつけるなどの色仕掛けを連発。兄の部屋に妹モノのエロ本を大量に放り込んだり、泣き落としをかけたり、隠しカメラを仕掛けたりと、兄を誘惑するためなら手段を選ばない。


 このように書くとまるっきりストーカーみたいだが、読んでいて怖いとか痛いとかいうことは全然ない。メグの愛情あふれまくりな様子は見てて面白いし、お話はカラッと明るく、絵のほうもエロかわいくて、読んでいてとても楽しい気分になれる。物語はすごくドタバタ賑やかにノリ良く進んでいき、メグの想いに兄がこたえるラストのあたりではちょっとジーンときたりもしてしまう。エロシーンもけっこう濃厚。明るく楽しくかわいくエロく、そして甘甘でラブラブな物語に仕上がっているのだ。



●表情のバリエーションが多彩で楽しい

 けものの★の作風で特筆すべきは、キャラの表情のバリエーションがとても多彩なこと。笑顔、泣き顔、あえぎ顔、ノロケ顔などなど、いろんな表情を自由闊達に使い分けてくる。そしてその表情の一つひとつが、とてもイキイキとしている。そのくるくる変わる表情を見ているだけで、キャラクターに愛着が湧いてくるし、読んでいるほうも楽しい気分になってくる。なんといっても顔はキャラの命。「いい表情を描く」というのは漫画においてすごく大事なことだけど、けものの★はその点はすごくイイものを持っている。


 お話的にも、基本的にはラブラブなものが多くて安心して読める。「ぐる~みんぐっ!!」シリーズ以外も、うまく感情を表現できない不器用な姉とその弟のエロエロストーリーである「副音声。」、幼なじみカップルの初体験物語「やえば」、ムチムチお母さんと息子のエッチを描いた「ムチとは罪」と、いずれも後味良く、テンポ良く読んでいける作品ばかり。


 といったわけで、たいへん魅力的なヒロインが揃ったイキの良い単行本である。ぜひ買って読んで楽しんでいただきたい。


漫画「Groove Tube」
作者けものの★
発売元茜新社
発売日2008年4月25日
価格1000円
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■しばた@OHP

キーワード: イチャラブ,

2008年04月28日 21時08分