主人公のルンペン貧太は、30歳ながらうだつの上がらない貧乏エロ漫画家。一部ではコアな人気を博しているものの超遅筆で寡作。クオリティにこだわるあまり、年に1本くらいしか作品を描けず、カツカツの貧乏暮らしを続けていた。しかしそんな彼の人生は、超売れっ子エロ漫画家、巨砲キャノン(おおづつ・きゃのん)先生との出会いをきっかけに一変する。
キャノン先生は、フェティッシュで変態的でドエロな作風で大人気のエロ漫画家。しかしその正体は、なんとわずか12歳の小学生女子だったのだ。初対面でなぜか彼女にものすごく気に入られた貧太は、キャノン先生の専属アシスタントに指名され、真性ロリコンの貧太は二つ返事で仕事を引き受けることに。
そして仕事場に入り、二人っきりになるや否や、キャノン先生はエロエロモード全開。エロスイッチが入ったキャノン先生は、貧太も狼狽するほどのものすごい勢いでエロ行為をせがんでくるようになる。かくして30男と12少女の、エロ漫画と愛欲の日々が始まるのだった……。
こうして始まる「キャノン先生トばしすぎ」は、最初のうちはキャノン先生と貧太のエロエロライフを中心に展開していく。仕事をしていないときは、すべてエロで埋め尽くさんばかりの勢いで、二人は猛烈にヤリまくる。というかキャノン先生が迫りまくる。そのエロシーンの濃さ、テンションの高さは特筆モノ。
最初の出会いのときからキャノン先生は、貧太に有無をいわせぬ勢いでフェラチオをせがむし、その後もアナル、コスプレ、ハメ撮り、キャノン先生の両親を目の前にして隠れエッチなど、ありとあらゆるプレイにチャレンジ。少女の可憐な口から、機関銃のような勢いで繰り出される、あけすけな淫語の連発も圧倒的。描写もいちいちねちっこくてとにかく濃密。
さらにラブラブ度も高い。エロ行為とラブラブ度が正比例して、エロくなればなるほどラブくなる、30男と少女の甘ったるいラブストーリーとしてガチで機能している点も見逃せない魅力だ。
キャノン先生との幸せな性生活にひたりきっていた貧太は、彼女に出会って以来、自分の作品を描くのを忘れてしまっていたことに気づき、再び一念発起してエロ漫画を描き始める。しかし原稿は思うように進まず、編集者にも最後通告されて初めて気づく。自分がいかにエロ漫画が好きかということを───。
そこからの展開は一気呵成。貧太のエロ漫画への想いの告白は、エロ漫画に青春の一部なりとを捧げてきた人間にとっては涙なしには読めない。キャノン先生のHへの気持ちを描いたシーンもこれまた感動的。さらに貧太に対して厳しく当たりながらも期待をかける、エロ漫画歴20年の編集長の、漫画屋魂にもシビれる。これほどまでにエロ漫画への愛を、真っ正面からアツく描いた作品は、ちょっとほかにない。
濃密なエロスと感動的なストーリーの双方が揃った本作は、2007年度のエロ漫画界を代表する傑作といえる。ヌけて泣ける魂の一作。とにかくエロ漫画が好きで好きでたまらない人は、絶対に読んでみてほしい。