等身大・そしてどこまでも真っ直ぐな女の子たちの“心模様”が描かれる恋愛ADV

「水夏」「D.C. ~ダ・カーポ~」で知られるCIRCUSの姉弟ブランド、JOKERの処女作「夏恋~れんげ~」は、「夏」と「恋」と「セックス」をテーマにした、全4章からなる恋愛アドベンチャーゲームだ。オムニバス形式となっている各章にはそれぞれ別の主人公・ヒロインが存在し、好きな章から読み始めることができるのが特徴だ。海から程遠い地方都市「白鷺市」にある水澤学園で描かれる4つのエピソードで、あの熱かった夏をもう一度体験しよう。


開放的な「夏」が彩る4つの恋――

物語は、兄弟愛が純愛へと発展するものや、女性同士によるいわゆる「百合モノ」など、タブーだからこそ燃え上がってしまうシチュエーション、エロゲー・サバゲー大好きなオタク学生の心の成長を描いたもの、悲しい過去を持つ男性教師を描いたものまでさまざまだ。ここからは各章の見どころをご紹介しよう。


木場晴海(きば はるみ) CV:青井 美海
★第一章「好きと言ってはいけない」

第一章は、思春期を迎え接する時間が減っていった主人公とその妹・晴海が、この夏の試験勉強を境に“恋愛”という形で再接近してゆく……というもの。

第一章のテーマとしては重いように感じてしまうが、美しいキャラクター絵と夏の景色、そして兄妹の心の葛藤を過不足のない絶妙なセリフ回しによって物語を一つ上のステップへ昇華させている。

はたして2人が過ごした一夏は、想い出だけで終わってしまうのだろうか? 結末は自身の目で確認してほしい。

▲かつて遊んだ蓮畑を懐かしむふたり。ここで何かがはじけてしまったのかも
▲やがて2人の気持ちは“恋愛”という形で再び急接近する……
▲両親の旅行中とうとう体を重ねてしまう兄妹。禁忌と分かっていながらも想いは止まらない

▲回を重ねるごとにエスカレートしてゆく2人の行為。だがこれも両親が帰宅するまでの短い夢。2人の想いはどのような結末を描くのか……?


翠川藍子(みどりかわ あいこ CV:一色 ヒカル)
★第二章「これってBAD-END!?」

アダルトゲームとエアガンが趣味のオタク学生・噴井昌人が、「ファッションモデルで生徒会長でお嬢様」という学校のアイドル的存在・翠川藍子を助けたことから始まる恋愛を描いたのが第二章。オクテな昌人は彼女のペースに引き込まれセックス三昧な日々を送るが、彼女にはある秘密が隠されていた……というストーリーだ。

オタクな人にとってかなり共感できてしまう展開やセリフが楽しい章だ(ホンモノのアダルトゲームの中で「これって何てエロゲ?」というセリフが拝めるとは思わなかった(笑))が、後半はなかなかディープな展開に。結末もすこし考えさせられてしまう深いものになっている。


▲オクテな昌人でなくてもこのダイレクトタッチは……
▲補習授業を受けに学校へ行ったのに生徒会室に連行されこんなことを
▲昌人の自宅にて……気付いたら体をひっくり返されてました

▲翠川先輩はセックス依存症だった!? という事実を知り、とたんに裏切られた気持ちになる昌人。翠川藍子にとって昌人はどんな存在なのだろうか? 最後の結末をハッピーエンドととらえるか、バッドエンドととらえるかはプレイヤー次第だ


左:青葉皐月(あおば さつき CV:大林 マキコ)
右:風谷立夏(かぜたに りっか CV:紫華 すみれ)
★第三章「友情なのか恋なのか」

第二章が男のオタクを描いた“純愛”だとすれば、第三章はオタク女子、いわゆる腐女子と普通の女の子による物語だ。

家庭の事情によって夏休み直前に学園に引っ越してきたものの、なかなかクラスになじめない風谷立夏(右)と仲良くなろうとする世話焼きなクラスメイト・青葉皐月が、立夏の趣味であるコスプレや同人誌などのオタク趣味を通じて“友達以上の関係”に発展する。

普段の人付き合いは悪いものの、オタク趣味に関しては色々な意味で積極的な立夏のキャラクターは、百合というシチュエーションが苦手な人でもかなり興奮できるかも。

▲アルバイト中の皐月はコスプレイベントに参加している立夏とバッタリ
▲立夏に勧められ購入した同人誌の中身に驚く&興奮する皐月
▲立夏がはまっているアニメ「ラブリースイミー」のコスプレ衣装を作ることに

▲やがて2人の関係は友情よりも深いものになってゆく……
▲コスプレ姿でもいたす2人


阿南鈴李(りぃ)(あなみれいり CV:みる)
★第四章「胸の底にこびり付く初恋の残滓」

第四章は、水澤学園で教師を務める鮎川虹助のかつての恋人・阿南鈴李(りぃ)、そしてどことなく「りぃ」を思わせる天遣海羽との物語が描かれている。

学生時代の友達「りぃ」との悲しいエピソードを中心に綴った「過去編」、その「りぃ」との記憶を思い起こさせる存在・天遣海羽とのエピソードを綴った「現代編」で構成されており、さらに今までの章のエピソードも鮎川視点で描かれていたりと、メインシナリオでありながら総集編のような、ボリュームたっぷりな内容になっているのが特徴だ。


▲「過去編」では、初恋の相手・りぃの家族に内緒で海に行くエピソードが描かれている

▲終バスを逃した2人は海辺の廃屋で、一晩限りの行為に
▲翌朝、事件は起こる……!

▲「現代編」では天遣海羽と「りぃ」に関係する衝撃的な事実が明かされる


真っ白な浜辺にたたずむ群青色のドア、そして囚われの包帯女性

▲物語の要所に登場する謎の女性
本作の各章における共通点は、舞台となっているのが海から程遠い地方都市「白鷺市」にある学校に関係しているということ以外に「白い浜辺」と「囚われの包帯女性」の存在がある。“群青色の扉”をくぐると行くことができるこの砂浜の意味するものは? 彼女の正体、そしてここに捕らわれている理由など、物語を進めていくうちにその全体像が明らかになってゆくぞ。
▲群青色の扉
▲心理世界としても描かれる白い砂浜


ちょっと非日常、だけど凄く懐かしい

「恋夏~れんげ~」は、これまでお伝えした絶妙なシナリオ以外にも、夏の雰囲気がこれでもかと伝わってくる美麗な背景画が切なげな音楽とマッチしており、誰もが持つ「懐かしい夏のイメージ」に乗せた、ちょっとユニークで非日常な追体験をすることができるぞ。

また、各章ごとにエンディングテーマが用意されている点にも注目だ。イメージソングの「夏影ラピスラズリ」を含めた全6曲、すべてがハイクオリティな楽曲となっているぞ。イメージソングが流れるオープニングムービーはこちらからダウンロードできるので、ぜひチェックしていただきたい!

▲シナリオやキャラ絵以外にも、背景画やサウンドなどでも“夏”の雰囲気を存分に味わえる

▲CG鑑賞モード
▲シナリオ回想モード
▲BGM鑑賞モード


製品情報



恋夏~れんげ~
(C)2007 JOKER/CIRCUS
発売・販売JOKER
ジャンル夏とえっちの切ないゲーム
制作総指揮tororo
制作くま坂らま男
監督大洲五郎
原画相川らず、ろり絵師、たにはらなつき(友情参加)
キャラクター原案秋蕎麦、かゆらゆか、ろり絵師
脚本まり、倉嶋秀二、黒滝糸由、桑原文彦
プログラムkuri++
メディアDVD-ROM
価格9,240円
Amazon価格8,180円
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-対応スペック-
OSWindows98SE/Me/2000/XP/Vista
CPUPentiumIII 600MHz (推奨:PentiumIII 1GHz)
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キーワード: 純愛

2007年09月08日 04時05分