うらあきば.じぇいぴ~ > 二次元 > レビュー
この単行本に収録されている作品は全部で9本。そのラインアップは「出前迅速万福亭」「なかよし」「ツンデレさん」「ツンデレさんの秘密」「さよならツンデレさん」「四畳半のプリンセス」「モトアニ」「I want to know everything」「カミングアウト」。
このうち「ツンデレさん」「ツンデレさんの秘密」「さよならツンデレさん」の3本が「ツンデレさん」シリーズだ(おまけとして「はじめてのツンデレさん」も入っている)。「なんだ3本だけかよ」と思う人もいるかもしれないが、3本だけでもかなりの威力があるし、そのほかの短編もかなり面白いので、単行本を買う価値は十二分にある。
ツンデレさんの態度は基本的にいつもツンツン。犬崎のことは「犬」と呼びつけ、いつも命令口調。でもやることは実にストレート。犬崎が他の女にちょっかいをかけようとすると即座に邪魔するし、「少なくとも私はキミの事を愛しく思っているのだが……」などと犬への好意をハッキリ明言。えっちなことをしたくなったら「欲情した」「せっくすするぞ犬!!」などと申しつける。このキッパリハッキリしすぎで、単刀直入なデレデレっぷりが猛烈に楽しい。
そんなツンデレさんだが、いざエッチになるとけっこう恥ずかしがったりもする。ノリノリになった犬崎の要求にはにかんだり、顔を真っ赤にして強がったりするさまが実にキュート。かわいすぎるその態度が、読む者の脳天を直撃するのだ。ちなみにロリロリと書いているとおり、ツンデレさんの胸のサイズは無論つるぺただ。もちろんその点は抜かりはない。
あとお話のほうは基本的にコメディテイスト。1話ごとにお話を盛り上げて楽しませ、最後はきっちりキレイなオチもつけてくれる。とにかくツンデレさんの一挙手一投足、言葉の一つ一つがかわいすぎて、萌えゴコロをくすぐるシリーズなのである。
作者の猫玄は、これが単行本28冊目とエロ漫画家としては、すでにベテランの部類に入る。しかしその作風はまったく古びることがないどころが、現在でもバリバリの一線級。ロリ系の中でも屈指の安定感を誇る作家といっていいだろう。元々うまい人ではあったが、年を重ねるごとに、カワイイキャラを作り、お話をきっちりまとめあげる腕前には磨きがかかってきた感もある。
そんなわけで猫玄作品は、基本的にどれもハズレなく楽しめる。中でも「ツンデレさん」はとても良い。ロリ者はもちろんのこと、そうでない人でも楽しめると思うので、さっくりゲットしていただきたい。
漫画「ツンデレさん」 | |
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作者 | 猫玄 |
発売元 | 茜新社 |
発売日 | 2007年6月29日 |
価格 | 940円 |
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2007年07月20日 19時20分